お子様の眼の病気

お子様の眼の病気

お子様の眼の病気

当院では新生児、乳幼児、園児、小学生、発達障害があるお子様、すべての“子ども”に心理的負担を掛けずに診察することをモットーとしております。“泣かさない(なるべく(^^))、診療後には笑顔でハイタッチ!”がお子様を診るときのモットーです。安心して受診して頂いて大丈夫です。

※写真はこども園で園児を診察する院長(笑)

お子様の診療で日常よく見かける病気

結膜炎

「アッカンベー」をした時に赤く見える部分を瞼結膜(けんけつまく)と呼び、白目の上に実は存在する透明な膜を球結膜(きゅうけつまく)と呼びます。
結膜炎とはこれらの結膜が炎症を起こした状態です。
原因は色々ありますが、お子様で多いのは、充血・目やにを伴う細菌性(さいきんせい)結膜炎、感染性のある流行性角結膜炎、アレルギー性結膜炎などです。

細菌性結膜炎は風邪や中耳炎などの炎症に伴うことが多く、起床時にめやにがベットリ付いている!と来院されることが多いです。細菌性は人には伝染しません!適切な目薬の使用はもちろん、まつげやまぶたに付いためやにをよく拭いてあげることが大切です。

結膜炎

流行性角結膜炎は、アデノウイルスの感染が原因で、まぶたの腫れ、結膜の強い充血が出現し、悪化すると角膜も炎症により傷だらけになり痛みを生じます。涙を介して感染しますが、非常に他人への感染力が強いため、園や学校を休ませないといけない病気です(学校保健法で定められています)。朝お子様の目があやしい?と思われたら朝一で眼科の方にお連れください。
アレルギー性結膜炎は、3歳くらいから発症することが多いですが、一年中かゆみを訴える場合はアレルゲン(原因物質)を同定することが重要です。お子様でも簡単に検査できる採血キットを準備しておりますのでお気軽にご相談ください。
また、春先に多い“春季カタル”はしっかりした治療が必要です。かゆみだけではなく、写真のように黒目周辺に沿って充血し、異物感や視力障害を引き起こします。

春季カタル

眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

まぶたの特に鼻側が内側に向き、まつげが角膜にあたり傷や炎症を生じます。角膜に傷がある場合はプールが始まる前までに治療を完了するようにしています。
小児眼瞼内反症前
小児眼瞼内反症後

広島弁で言うところの“めぼ”(笑)→麦粒腫、霰粒腫

広島弁で言うところの“めぼ”(笑)→麦粒腫、霰粒腫

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)はまつげ付近にある汗や脂の出口の穴からバイキンが入り感染した状態です。膿の塊ができていたら痛くないように切開して膿を出すと早く治ります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶたに硬いしこりができ、有痛性・無痛性に腫れる病気です。まぶたの中に詰まった脂の固まりを自分の身体が攻撃するいわゆる異物反応の一種です。治療ですが目薬、軟膏、飲み薬等で辛抱強く炎症を抑える治療に尽きます。数ヶ月かかって治癒することも多く、途中であきらめないことが肝心だと治療する立場からは実感しています。以前はステロイドを注射することもありましたが、現在当院では行っておりません。

視機能の異常

斜視

斜視

斜視とは両方の眼が同じ方向を向かない状態で(片方の視線がずれている)、色々なパターンがあります。外斜視(間欠性)は日本人に多く、間欠性の場合は視力の発達は良好で保存的に経過を診ることが殆どです。注意すべきは内斜視で、1歳未満で発症する乳児内斜視は近年では早期手術の対象となっています。また片方の眼のみに屈折異常のある子供では、内斜視発見時に弱視を伴っていることが多く(=不同視弱視)、早期からの眼鏡装用による治療が必要です。”眼が内側に向いているような気がする”とお子さんの眼を見て思われたら、眼科受診をお勧めします。

弱視

人間は生まれた時はあまり見えていません。成長と共に“視力(視覚中枢)”が発達してきますが、その過程で見ることを妨げる原因があると、視覚中枢の発達が遅れ、“弱視”となります。眼球や視神経に異常は無いのですが、眼鏡をかけてもどうやっても視力が出ない状態です。原因としては、白内障や眼瞼下垂などにより光が網膜まで届かないことによって生ずる”形態覚遮断弱視”や、赤ちゃんの時から強い遠視や強度の乱視があり(=屈折異常)ピンボケで見ている状態で過ごすことで生ずる”屈折性弱視“(不同視の場合、前述した内斜視を契機に発見されることもあります)等が挙げられます。視力の発達は小学校低学年くらいでストップしてしまいますので、なるべく早期に発見することが大切です。

治療について
治療ですが、前者では手術により邪魔なものを排除し網膜まで光が届くようにする、後者では目薬を使用して正確な眼の度数を測った上で、適切な度数の眼鏡を常用させます。視力の発達に左右差がある場合(=不同視弱視)は、アイパッチというシールを視力が良い方の眼に張り、弱視が強い眼の方だけでものを見る訓練をして脳の視覚中枢を刺激して視力の発達を更に促します。

当院では数年前よりSVSという機器(小児科の方ではかなり普及しています)を用いて、1m離れた状態からお子さんが怖がることなく目の屈折値(度数)や斜視の有無を測定できるようにしています。1歳前後のお子さんでも屈折異常の有無が判ります。発達障害のあるお子さんでも比較的怖がることなく検査できることが多いです。また不同視弱視でお家でアイパッチがちゃんとできない(嫌がる)お子さんや、小学校入学前後で初めて不同視弱視が発見され治療できる時間があまり残っていないお子さんに対しては、オクルパッドという訓練機器(ゲーム感覚で2歳前後から訓練可能です)を数年前より導入し通院で治療して頂いております。ご興味のある方は電話で院長にお問い合わせ下さい。

SVS

健診風景

オクルパッド

(追伸)2年前より当院では、不同視弱視と診断されたお子さんには最初からアイパッチとオクルパッドの同時併用治療を開始しています。
他施設からの報告と同様、当院でもアイパッチ単独による治療と比べて、併用治療の方が視力回復までの期間が短いという結果が出ています。
また従来は視力回復が難しいと言われていた就学時健診以降に見つかった不同視のお子さんたちも、小さいお子さんたちと同様の時間で回復するという結果が出ており、2020年7月の第76回斜視弱視学会で報告しました。

近視

近視とは焦点がフィルムである網膜より前にずれた状態です。

近くの物は見えますが遠くは見えません。
近視の眼は眼軸(眼の長さ)が長くなっています。奥行きが長いので奥までピントが合わず手前に合っています。子供は調節力が強く毎回視力検査の結果が変るため、当院では10年前から白内障術前検査で用いる機械で、視力低下疑いで受診した子供達全員の眼軸長を測定してきました。眼が長い=近視が強い=視力が悪いということが、近年学童の場合でも証明されていますので、当院ではお子さんの眼軸も測定した上で現状を説明させて頂いています。治療に関しては、目薬でピントを合わせる筋肉を麻痺させ交感神経優位を誘導し、遠方視調節を促す点眼がありますが、対象は眼軸が短いにも係らず近視となっている場合にさせて頂いてます。軸が伸びていくのを完全に食い止める決定的な治療は無いのが現状ですが、ここ数年で後述するような眼軸の伸長を抑制する治療が始まり、当院でも2019年末より導入しております。環境因子(近くを見ることが多い現代人)の関与はよく論じられています。

原因・治療が確定していない分野だけに、民間療法が入り込み易い分野で私達医師も頭を悩ませています。よく父兄から「ああいうのはどうなんです?」と聞かれますが、「医学的に効果のある治療と証明されているならば、既に我々が行っているはずです」とお答えしています(笑)

小児の近視進行抑制治療(マイオピン)

マイオピンはシンガポールで開発された薬剤で、小児(6-12歳)の近視を抑制する効果が認められています。
当院では導入に対して慎重でしたが、2019年10月に多施設での研究で日本人の小児にも効果が認められるという結果が出たのを受けて、
2019年12月より導入しました。
保険診療では無く自費診療となり、処方を希望される場合は予約制で、患者本人(お子さん)の同意も必要となります。
詳しくは電話でお問い合わせ下さい。

小児の近視矯正治療(オルソケラトロジー)

オルソケラトロジーは、眼鏡、コンタクトレンズに続く第3の近視矯正治療です。
角膜を矯正するハードコンタクトレンズを寝ている時だけ装用して角膜の形状を変え近視を矯正する治療です。
日中は裸眼で快適な視力で過ごせます。但し効果に限界があり、良好な視力が期待できる対象は近視の度数が-4.0Dまでとなってます。
また、元々の効果に加えて、近年では前述したマイオピン以上に小児の近視進行抑制に効果があることが知られてきてます。
マイオピン同様自費診療となり、本人(お子さん)の同意が必要となります。
詳しくは電話でお問い合わせ下さい。

広島市西区のしんや眼科
日帰りの白内障手術が
可能です。

ご自身、お子様の眼の病気のことや、白内障のことなど眼のことでお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。

診療時間日・祝
9:00〜12:30
14:30〜18:00
※ 火曜日午後は手術日
休診日:木曜午後・土曜午後・日曜・祝日